ここに来て
誰にも邪魔されず安心して
朝まで眠ることができるようになった。
孤立した若年妊婦がただいまと言えるHOMEを。
ここに来て
誰にも邪魔されず
安心して朝まで眠ることができるようになった。
孤立した若年妊婦がただいまと言えるHOMEを。
2020年、ピッコラーレがクラウドファウンディングの支援も受けて
立ち上げた居場所事業『project HOME』。
その第1号である「ぴさら」は、
居場所を失った若年妊婦のための場所です。
project HOMEは認定NPO法人PIECESとの協働により運営されています。
2020年6月から2022年1月末までに、10~20代の若年層を中心に
宿泊で14人(延べ598泊)、日帰りで延べ43人の妊産婦が
「ぴさら」を利用してくれました。
居場所事業の運営は、現在公的機関からの補助はなく、
民間助成金とみなさまの寄付によって継続することができています。
孤立した若年妊婦が安心して「ただいま」と言えるHOMEであるために
「いつでもおいで」と送り出せるHOMEであるために
「ぴさら」を訪れた妊婦とともに「ぴさら」をつくる仲間「ピコサポ」を必要としています。
『ピコサポ』とは?
ピッコラーレの想いを共有し、一緒に事業をすすめていくパートナーであり毎月継続的な寄付をするマンスリーサポーターのことです。
「いつでもおいで」と言える、
安心で安全な居場所を作りたい
ピッコラーレが目指すのは、
「『にんしん』をきっかけに、誰もが孤立することなく、
自由に幸せに生きることができる社会」の実現。
しかし、実際には、児童虐待死の中で最も多いのが、
「生まれたその日になくなってしまう赤ちゃん」。
その赤ちゃんをたった一人きりで出産した女性のほとんどが、
母子健康手帳が未交付であり、妊婦健康診査も未受診です。
孤立している妊婦とつながるために、私たちには何ができるのか。
安心して相談できる相手がいれば、
孤独で悲しいお産をなくせるのではないかと考え、
2015年12月に妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」を開設。
これまで年中無休で電話やメールによる相談や、
必要に応じて同行支援も行ってきました。
2015年12月に「にんしんSOS東京」を開設してから
6年間で、相談を寄せてくださった⽅は5,448 ⼈。
相談の対応件数は31,175件。
(2021年12月末現在)
しかし、窓口の運営を通じて、
困難を抱えた「若年妊婦」たちが既存の制度の枠に当てはまらず、
歯がゆい思いをするケースは少なくありませんでした。
例えば、小さい頃から親による虐待を受け、家出をし、必死で見つけた選択肢の中から男性の元に居候することを選び、妊娠した19歳の女性。
彼女を医療や福祉の制度につなごうとして行政の窓口にいったとき、「この子に使える資源はない」と言われたことがあります。
彼女は、18歳未満が対象である児童福祉法による保護は受けられず、また、未成年であるため、親の承諾無くしては家を借りることも、携帯電話を契約することもできません。
そのような女性たちに、「いつでもおいで」と言える、安心で安全な居場所を
作りたいと思い、構想を立ち上げたのが「project HOME」であり、
その第1号が、豊島区の一軒家で2020年6月より妊婦の受け入れを始めた「ぴさら」です。
例えば、出産のために行政の施設を利用するときには、上の子どもを連れて入所することはできないことがあります。
でも、ほんの数ヶ月でも、上の子を乳児院などの施設に入れて、離れて過ごすことは耐えられないと感じる妊婦さんもいます。
そんな時、「ぴさら」では、上の子も一緒に生活する方法を考えます。
これまでのやり方を見直し、一人一人のニーズにあった生活を、スタッフと利用者さんが共に作り上げていくのです。
出産後、一緒に暮らす予定のパートナーがいるケースでは、「ぴさら」にパートナーを招いて、沐浴など、赤ちゃんと共に暮らす練習をしてもらいました。
パートナーが、少しでも赤ちゃんのケアを知り、赤ちゃんを交えた三人での生活がスムーズにスタートできるよう、願ってのことです。
マニュアルやルールにしばられず、一人一人のニーズに寄り添い、「ぴさら」は日々、潮だまりのように変化していきます。潮だまりはいつも同じかたちとは限りません。寄せてくる波や時間によって、さまざまに姿を変えるのが潮だまりです。この、多様性を明るく内包し、いつも変化をつづけている潮だまりのイメージは、project HOMEのイメージそのものだと気づいたのです。
「ぴさら」があってよかった。。。
シャンプーひとつだって、自分で選んでほしい
一人の人間として尊重し、尊重されるために
「ぴさら」のスタッフが考えるのは、まず、利用者本人の願いを引き出し、それをどうしたら叶えることができるか。
もちろん、全ての願いを叶えられる訳ではありません。それでも、一人ひとりの心に浮かんだ願いを「わがまま」と言いたくありません。たとえ実現の難しい願いであっても、願いそのものの否定はしたくないのです。
例えば、「ぴさら」では、シャンプーひとつでも、利用者さんの好きなものを選んでもらうようにしています。匂いや使い心地、何が好きなのか、苦手なのか。自分の感性を大事に生活して欲しいから。
そうした、日々の生活の積み重ねの中で、自分自身を取り戻してほしいから。
訪れた妊婦と私たちと一緒に
あなたも「ぴさら」をつくる仲間「ピコサポ」になってください。
スタッフの想い
「目の前の『この人』が求めているものはなんだろう?」
「今日、何が食べたい?」と利用者さんに聞いてから、「ぴさら」の食事の準備ははじまります。あらかじめ決まったメニューがあるわけではなく、訪れる妊婦ひとりひとりの食習慣、好み、体調に合わせて、今日食べるものを一緒に考えています。時には一緒に買い物や料理をすることもあります。
「ぴさら」という名前に込められた願い
「ぴさら」(pisara)は
フィンランド語で「しずく」という意味になります。
project HOMEの活動がここから広がっていくことをイメージした時にうまれてきた名前です。
一滴のしずくはとても小さいけれど、一人ひとりがつくりだす「しずく」が重なりあい、
有機的につながれば、無限に広がるでしょう。
そして、やがてピッコラーレが目指す「潮だまり」があちこちに生まれていく。
そんな願いを込めています。
「ぴさら」を巣立ってからも、本当にいつでも
「おかえり」と迎えられる場所でありたい
まだ「ぴさら」がなかった頃。にんしんSOS東京につながったけれど、紹介された「施設」との折り合いが合わず、途中で連絡がとだえてしまった女の子がいました。
彼女は様々なツテをたどって、地方を転々としながら、妊娠期間を過ごしていたそうです。その間に「ぴさら」が動き出しました。
彼女は出産後、できて間もない「ぴさら」で産後のケアを受けることになったのです。
本人の希望を取り入れた食事、助産師スタッフのマッサージ、お風呂にゆっくり入る‥。そんな「ぴさら」での生活で、彼女はむくみや便秘が改善し、お風呂が大好きになりました。
その後、「ぴさら」を出て、母子寮で暮らすようになってからも、彼女は時折「ぴさら」を訪れています。例えば、お食い初めやお宮参りなどの行事を一緒に祝ったり、疲れたときに愚痴をこぼしたり。
まるで「ぴさら」が実家のように。
彼女との細く長い交流は、「ぴさら」のスタッフにとっても喜びとなっています。
「ぴさら」で安全な日々を過ごし、安心を得ることで、「これから」のことを落ち着いて考えられるようになるケースは少なくありません。
それが学びや仕事など、新しい生活に繋がることもあります。
でも、それだけが「ぴさら」の目的ではありません。ただ一人の人間として、
今、存在する「あなた」を受け入れ、「おかえり」と迎えられる場所でありたいのです。
月1,000円~の寄付で、
あなたも『ピコサポ(マンスリーサポーター)』になりませんか?
妊娠=ハッピーと思っていたが‥
最初に「にんしんSOS」と聞いた時には、
違和感がありました。
自分は、妊娠=ハッピーとしか思っていなかったので。
自分に限らず、男性一般は
妊娠とSOSはつながらないと思います。
でも、ピッコラーレの話を聞いて、
妊娠とSOSがつながり、妊娠葛藤という
問題があることに気づきました。
ピッコラーレへの寄付は自立の一歩
自分も、出産を悩んだ時期がありました。
でも、今は子どもに助けられ、出産を通して
一人の人間になったと実感し、自分が幸せになることが、
子どもの幸せに繋がると思っています。
ピッコラーレへの寄付は自立の一歩で、
自分の想いを実現するための
行為でもあると感じています。
あなたの寄付でできること
なぜピコサポのご支援が必要なのか
ピッコラーレの活動に興味を持っていただき、ありがとうございます。
私たちは、マンスリーサポーター(毎月の継続支援者)さんのことを『ピコサポ』と呼んでいます。
ピッコラーレの想いを共有し、一緒に事業をすすめていく仲間として、親しみを込めて名付けています。
project HOME第一号「ぴさら」は、2020年春に開設して以来これまで、様々な方々からのご寄付や、複数の助成団体からのご支援によって運営を続けることができています。
しかし、変化の多い環境のなかで、今後も安定的な運営ができるかどうか不安になることも嘘ではありません。
「ぴさら」の運営には、年間約3,000万円の維持費用が必要です。今までは複数の財団・基金からの助成金を主な資金源としてきましたが、来年度以降は助成が終了する見込みで自力での運営が求められています。
また、日々の相談業務のなかで、居場所のない妊婦との出会いは絶えることはありません。
「ぴさら」には利用できる部屋が2部屋ありますが、満室になることも多く、
「ぴさら」を必要としている妊婦の希望に応えられないこともあります。
今後は、このようなもどかしいことが無いように、第二・第三の「ぴさら」を増やしていきたいと思っています。
私たちが大切にしたいのは、妊娠をした彼女たちが、中絶しても、出産しても、
「ここにいていいんだ」と思える場所が社会の中にあること。
「生きていていいんだ」と思える場所を見つけられること。
ピッコラーレが「ぴさら」で大事にしていることを守りながら、利用者が安心・安全に過ごせる「HOME」を続けるために、みなさまからのさらなるご支援を必要としています。
現在、約160名(2022年3月末現在)の『ピコサポ』に支えられていますが、私たちの中期的な目標は1,000人の『ピコサポ』と安定的に「ぴさら」の運営をしていくことです。
毎月の継続的なご寄付「ピコサポ」以外のご支援方法として、都度のご寄付(任意の時期・金額でのご寄付)も受けつけております。
ご希望の支援方法で支えていただけますと嬉しいです。
みなさまからのご支援を心よりお待ちしています。
協働パートナー紹介
project HOME では、「妊婦にやさしい地域づくり」を目指して、
認定NPO法人PIECESと協働で様々な活動を行なっています。
認定NPO法人PIECES
子どもたちの生きる世界が寛容になることを目指して、
様々な環境に生きる子どもたちの周りに「優しい間」を生む市民育成事業を展開しています。
「にんしん」をきっかけに、だれもが孤立することなく、
自由に幸せに生きることができる社会の実現をめざして、
あなたもピッコラーレの仲間になりませんか?
「ピコサポ」になる